写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki

写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki
一本ごとに異なる
模様の美しさ
図面竹とは、竹の表皮に硫酸を塗布することで、焼け焦げたような独特の模様を浮かび上がらせた竹材です。その不規則で有機的な筋模様は、一本ごとに異なる表情を持ち、まるで手書きの設計図を思わせる構造感を漂わせています。見た目には強い個性がありながらも、どこか自然で控えめ。時間の経過で色味に深みが増し、空間に静かな存在感を与えてくれます。
模様づくりは、
職人の勘と経験から
模様は、すべて職人の手作業によって生み出されます。まず模様が美しく映えるような質の良い竹を選び、その表面に硫酸を専用の刷毛で塗布します。ほんの数秒のうちに竹の表皮が反応し、にじみやムラをともなった筋模様が現れます。


この模様の出方は、竹の太さや乾燥の具合、刷毛の角度や圧のかけ方によって変わるため、同じ模様は二つとありません。狙いすぎても不自然になり、任せすぎても印象が弱い。微妙なバランス感覚が求められる、繊細な作業です。
図面竹が活きる空間
図面竹は、一本ごとに模様の出方や色味が異なり、それぞれに個性があり、自然素材の持つ風合いを大切にしながら、わずかな人の手を加えることで生まれる「余白」の美しさにあります。模様の濃淡、節の位置、にじみ方などが一本一本違うからこそ、空間に使う際は設計者や職人の「選ぶ目」が問われます。どのようなリズムを持たせたいか、どの程度の存在感を求めるか。図面竹の美しさを引き出すには、空間への繊細な感性が必要です。


京銘竹でつくる、建築資材の選択肢
一口に竹と言っても、その種類は極めて多く、風合いもさまざまです。横山竹材店では 形も角平、丸と各種取り揃え、あらゆるデザインや施工場所のニーズにお応えしております。