写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki

煤竹 煤竹

写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki

煙に育まれた、
唯一無二の艶

囲炉裏のある生活が日常だった時代、竹は茅葺き屋根の素材として使われてきました。その竹に、長い年月をかけて煙が染み込み、表面には自然な炭素の層が形成されます。
人工的に着色されたものとは異なり、煙と火がゆっくりと染み込むことで、独特の黒褐色と艶が生まれます。この黒は均一ではなく、竹が置かれている場所や煙の流れなどによって異なる模様が現れます。時の経過が一本一本の表情をつくり出し、それ自体が物語を持つ素材となっているのです。

真黒と景色

煤竹は、古くから茶道具や床柱、装飾材、茶道具の柄材や小物として重宝されてきました。現代では、和の伝統と現代的な感性が交わる空間のアクセントとしても用いられています。
特に、縄を巻いて使われていた箇所に残る痕跡(縄の跡)は和装業界で「景色(けしき)」と呼ばれ、煤竹の中でもとりわけ高い価値を持つものとされています。痕跡の残らない煤竹は「真黒(まぐろ)」とも呼ばれます。

煤竹の活きる空間

煤竹の魅力は、その一様でない表情にあります。黒の濃淡や艶、模様の違いは、単なる装飾ではなく、その竹が置かれていた環境や時間を映し出す痕跡です。煤竹を取り入れるということは、単に古材を使うということではなく、そこに宿る暮らしの記憶や文化の層を、空間にそっと引き込む行為でもあるのです。

京銘竹でつくる、建築資材の選択肢

一口に竹と言っても、その種類は極めて多く、風合いもさまざまです。横山竹材店では 形も角平、丸と各種取り揃え、あらゆるデザインや施工場所のニーズにお応えしております。

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