写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki

白竹 白竹

写真:中島 光行 ©Nakajima Mitsuyuki

京都の街を
彩る白竹

白竹は、磨き抜かれた美しい光沢が建築用はもとより茶華道具、工芸品に欠かせない銘竹です。京銘竹の中でも基本の存在として、京都の建築文化を支えてきました。
特に印象的なのが犬矢来です。外壁沿いに巡らされた犬矢来は京町屋の特徴の一つで、従来は外壁を泥汚れなどから守るために用いられてきました。

名品を支える
京銘竹

「京丸うちわ」は、京都の花街に古くから息づく名品です。舞妓や芸妓が自らの芸名を記したこの丸型のうちわは、夏場にご贔屓筋へ贈るご挨拶や名刺代わりとして用いられてきました。その華やかな姿は、夏の京都を象徴する風物詩でもあります。
そんな京丸うちわを美しく飾るために工夫されたのが「うちわ立て」です。素材には竹が用いられ、ときに京銘竹のように端正でしなやかなものが選ばれます。竹の持つ静かな佇まいが、空間に凛とした趣を添えてくれるのです。

真竹と孟宗竹

白竹の艶感は、使用する竹の種類によって大きく変わります。茶具には「真竹」が使われます。真竹は皮のキメが細かく、粘りがあり、皮に艶があります。一方、「孟宗竹」は中国から伝わった竹で、国内で主に筍として消費されますが、太さと強度に優れています。
孟宗竹は華道の花入れや置筒など大型の用途に向きますが、茶杓や柄杓といった繊細な茶道具には真竹が使われます。真竹から作られる白竹はくすみが少なく、艶のある美しい仕上がりになるからです。

左:真竹/右:孟宗竹

茶室建築には欠かせない
「芽付竹」

竹林の入り口近く、陽当たりのよい場所で育った竹は成長が早く、 銘竹に加工されると「芽付竹(めつけだけ)」と呼ばれます。
十分な光を浴びて育つことで、芽の間隔は自然と狭まり、節ごとに肉厚な竹となります。芽付竹は、肉厚ゆえに構造的な強さがあり、茶室の屋根を支える垂木として重宝されます。機能性と美観、その両方を兼ね備えた理想的な竹材として、茶室建築には欠かせない存在です。

現代への展開

白竹は伝統的な用途を超えて、現代建築やインテリアデザインでも注目されています。その清潔感のある美しさは、ミニマルなデザインを好む現代の空間にも自然に調和します。また、天然素材への関心が高まる中、白竹の持つ機能性と美しさは、持続可能な建材として新たな価値を見出されています。

すずき|シンガポール

シェーンブルン垣|オーストリア・ウィーン「シェーンブルン宮殿」

寿月堂|銀座歌舞伎座店

京銘竹でつくる、建築資材の選択肢

一口に竹と言っても、その種類は極めて多く、風合いもさまざまです。横山竹材店では 形も角平、丸と各種取り揃え、あらゆるデザインや施工場所のニーズにお応えしております。

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