施工事例

シェーンブルン垣

シェーンブルン垣

シェーンブルン垣

オーストリア・ウィーンにある世界遺産「シェーンブルン宮殿」。かつてハプスブルク家の夏の離宮として栄えたこの壮麗な宮殿の一角に、日本文化への深い関心から設けられた「日本庭園」があります。その歴史は100年以上前に遡り、庭園を愛したフェルディナント皇太子によってつくられたといわれています。

この度、その日本庭園内にて竹垣の設置工事に携わる機会をいただきました。現地に滞在しながら、日々の天候や地形と向き合い、施工を進めました。

設置した竹垣は2種類。ひとつは日本の伝統的な様式である「龍安寺垣」。もうひとつは、今回の庭園のために設計・製作したオリジナルの竹垣で、現地の方々のご厚意で「シェーンブルン垣」と名付けていただきました。格式ある場所にふさわしい静けさと、日本の庭のもつ「間」や「余白」を意識して、素材の風合いや佇まいにも気を配っています。

文化も言語も異なる土地での施工は決して楽なものではなく、身体的にも精神的にもハードな日々でしたが、それ以上に得がたい経験となりました。食文化や風土、人との交流のなかで、改めて「日本の庭」が世界にどのように受け入れられているのかを実感することもできました。

ウィーンを訪れる機会がありましたら、ぜひシェーンブルン宮殿の日本庭園にも足をお運びください。遥か遠くの異国の地に、静かに息づく日本の景色が、そこにはあります。

天然竹垣の種類について

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