施工事例

横建仁寺垣

横建仁寺垣

横建仁寺垣

横建仁寺垣は、伝統的な建仁寺垣の構成をもとに、縦竹ではなく横竹を主役とした竹垣です。竪子(縦に並べた竹材)を使った通常の建仁寺垣とは異なり、竹を水平に配することで、より伸びやかで開放的な印象を与えるのが特徴です。建仁寺垣の変型または応用形とも言える構成で、現代の住環境や景観設計においても重宝される意匠です。

構造としては、縦のラインが強調される通常の建仁寺垣に対し、横建仁寺垣は横の広がりを感じさせる構成となっており、庭に奥行きや広がりを演出する効果があります。

また、竹の並べ方や本数によって、目隠しの度合いや風通しの調整が可能です。たとえば、竹の間隔を詰めれば視線を遮る“塀”のような印象となり、間隔を広げれば軽やかさを出し、背景として空間に溶け込ませることもできます。こうした柔軟な調整ができる点も、横建仁寺垣の魅力といえるでしょう。

使用する竹は、青竹、晒竹、錆竹など、用途や景観に応じて選ぶことができます。年月とともに竹が変色し、庭の雰囲気に馴染んでいく様子もまた、自然素材ならではの美しさです。
横建仁寺垣は、伝統的な意匠を受け継ぎつつ、現代の庭づくりにも応用しやすいバリエーションとして、数寄屋建築や和風住宅の外構、料亭や旅館の目隠しなど、さまざまな場面で活用されています。

天然竹垣の種類について

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