伊助のよもやま話
青竹 この間、店の若い衆が青い竹を切って、車に積んでいた。 あまりにも青々と生き生きしているので、近づいて見ていると、切り口からポタポタと竹液が落ちている。まるで泣いている涙のような水滴が目の前に出ている。 思わず手に取って舐めてみると、それは甘い甘い味で、竹が「美味しいですか」と聞いているような気がした。私は「美味しいよ」と心の中で応えた。 竹も運悪く、使い物にならず邪魔で捨てる材料も少なくない。 しかし、必要があって切られ、良い行き場所があるこの竹は、運が良い。京都の一流の料理店の庭先に使われる幸せな奴だと、撫でていた……。 青い竹を見ていると生き生きとする。 私も若い時があったが、今は静かに静かにと生きている。 生きる、生える、生まれる、生(なま)、生(き)などと色々な読み方によって、その物が表され生きる。わたしはこの字が好きだ。 皆さん元気で生きて下さい。そうすれば、人もお金も生かされるでしょう。 |