伊助のよもやま話


会長

あー大文字

高い所に上がらなくても、自宅の横の通りからは、御所を飛び越え向こう側に、大文字の一つの文字、右大文字の「大」の字が真正面に見える。
7時40分くらいから、その場所に椅子を出し、すわる。特等席だ。
近所の人が1人2人とその場所に出てきて増えてくる。
もう火が点く頃だろうかと、手を合わせて待っている。
待った待った、8時になった。「大」の字の真ん中にポッと灯りが見えた。
皆から歓声が上がった。思わず「点いた!」と揃って声が出た。5分程したら、「大」の字に燃え広がって行く。10分も経つと、完全に字体となっている。

誰かがお経を唱え始めた。
手を合わせ打つ人。皆、真剣に拝んでいる。私も家内と今年が無事に過ごせた御礼と、また来年も健康で居られます様にと、帰って行く先祖の魂に拝んでいた。
皆、睨む様に一点を見ている。
何も音がない静々とした時間が過ぎると、最初に火が点いた真ん中辺りからボツボツ弱火になってくる。その静々と消えていく哀愁がたまらない。
自分もあのように静かに消えていくのかなと、ふと思うのも私だけではないだろう。
このお盆に先祖を迎え火で迎え、送り火で送る。大文字が静かに静かに消えていくその時、先祖の思い出、色々な人をより思い出し、寂しく悲しい一瞬でもある。

今年も大文字が見られた喜びの心に悲しみを包み込み、また来年も見られるように努力しようと、椅子から立ち上がった。
色々と思いを走らせて、30分ほどの夢を有り難う。
また来年……


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