伊助のよもやま話
竹の生態 竹の種類は様々で、生態も様々である。 私たちは竹材販売業を営んではいるが、全ての生態を知っている訳ではない。しかし、どんな竹でも用途に応じて使いこなせる技術を持っている。そうでないと、自然のものは扱えない。 北海道から九州まで、竹と名の付くものが生えていない所は無い。どこの竹が良いかと聞かれたら、全てそれぞれの土地で生態が違うので、その特性を利用することがその竹の良し悪しを決める事になる。 一つ、自然の中で、賢く育つ竹を紹介しよう。 雪が多い北海道には竹らしい竹は無いが、ただ一種だけある。その竹は、雪を知っていて、雪の重さに耐えられるように身が厚く、太く長く伸びない。 雪が降ると重みで竹が自然に曲がっていく。折れる寸前まで曲がって、そのまま半年間頑張って雪の中で耐えている。そうして、雪がとけると曲がったまま生きている竹が、姿を現す。 それを私たちは「根曲がり竹」と称して販売している。 根曲がり竹は、竹の装飾に曲がった図案が欲しい時に使われる。もちろん、そのままでは使えず、私たちが考えて手を入れる。 又、北海道では、曲がったまま二本を両方からつなぎ合わせて鳥居のようにし、それを連ねてトンネルにする。そして、ビニールハウスにして温室を作り、色々な事に利用している。 竹も賢いが、人間のほうが、もう一つ賢い。自然を扱う者は、常に工夫が大切だ。 毎日毎日、考えて行こう。人間が、一番賢いのだから……。 |