関西の伝統産業、ネット通販で全国に販路 着物、和傘など
2010/8/12 5:16 日本経済新聞


和傘や着物など関西の伝統産品のメーカーがネット通販ビジネスを拡大している。
良い品物を手に入れたいが関西まで足を延ばせないという顧客を狙って全国に販路を広げる。
老舗でも既存の卸売りルートだけでは会社が立ちゆかなくなるとみる若手経営者が増えているのが背景。同業との安値競争に陥らないよう、ネットでの販売に適した独自色の強い商品を開発する動きも相次いでいる。

江戸時代後期に創業した和傘の日吉屋(京都市)は今秋、和傘の構造を取り入れて折り畳めるようにした金属製照明のネット販売を始める。
来年には和紙の代わりに樹脂製フィルムを使った傘を発売する予定だ。
「和傘メーカーは数少ないので商品を探している人が全国にいる」(西堀耕太郎社長)のが強みだ。
年間6000万円弱の売上高のうち、約3割をネット通販が占める。

襦袢(じゅばん)や袴(はかま)を得意とする着物の田原一(京都市)のネット通販での人気商品は「2WAY袴」。
姉妹などで使えるよう丈を調節できる特殊な構造で特許も取得した。
「ネットでは他店との競争が少ないアイデア商品を中心に据える」(田原茂喬社長)との方針で2006年に自社サイトを設けて以来、年3〜4割のペースで売り上げを伸ばしている。現在はネット通販が売上高全体の2割弱を占める。

いかに自社サイトに誘導するかにも工夫を凝らす。
竹材の販売や内装工事を手掛ける横山竹材店(京都市)は2年前から、グーグルの検索語句によって表示する広告を購入。
ネット利用者が「竹材」「竹垣」などのキーワードを検索すると自社サイトが上位に表示されるようにした。
京都、東京など従来の取引先に加え、「北海道や沖縄、海外からも注文が来るようになった」(横山裕樹専務)という。

少しでも早くネット通販ビジネスを軌道に乗せようと、事業者が協力してサービスを始める動きもある。

兵庫県鞄工業組合(豊岡市)は「豊岡鞄」が地域ブランド(地域団体商標)に登録された翌年の07年から、会員企業の作ったビジネスバッグや女性用鞄をネット販売している。
09年度は約90万円の売り上げがあった。

堺ホテル協会は今年1月、携帯電話やパソコンで注文できる地元名産品の通信販売サービス「お取り寄せ堺」を始めた。
各ホテルのロビーなどに置くカタログに堺の伝統産品である包丁、お茶、和菓子、線香など約100品目を掲載した。市内には地元の名産品を集めた売り場がなく「宿泊客からお土産をどこで買ったらいいのか聞かれることが多かった」(杉林功一事務局長)という。




有限会社 横山竹材店
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ファクス (075)432-5876
E-mail: yokotake@amber.plala.or.jp
URL: https://www.yokotake.co.jp/